パルクール入門 #1 : PKロール 【パルクールの始め方】

今回は、パルクールにおける受身である「PKロール」について解説していきます。

パルクールの基本

パルクールとは素早く目的地点へ移動することを目的としています。つまり効率のよい動きが追求されると言えるでしょう。生み出した勢いを使って高いところへ登ったり、遠くにジャンプするパルクールにおいて、勢いのコントロールは、より大きなジャンプ力や推進力を生み出すことより重要です。

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PKロールとは

PKロール(以下”ロール”)とは高いところからジャンプした衝撃を、足だけでなく回転することで受け流す着地方法です。体操の前転とは違い斜めに回ることで、硬いところでも頭をぶつけたり背骨を痛めたりすることがないので多くのトレーサーがフロウの中に取り組んでいます。

良いロールは痛みなくトップスピードで衝撃を和らげ次の動作へ繋ぐ事ができます。勢いをコントロールする上で非常に重要な基本動作であると同時に、ロールが完璧でない状態で高いところから飛び降りるなどの無謀な行為はパルクールではご法度です。まず基礎をしっかりと身につけましょう。

練習場所

最初は芝生やマットの上など適度に柔らかい場所を見つけて練習してください。適度というのは怪我をすることなく、自分の体のどこが地面と接しているのかが把握できる程度の柔らかさです。硬すぎると怪我をする恐れがあり、逆に柔らかすぎると勢いが吸収されうまく回転ができません。

手順

この記事では、右肩から入るロールについて解説していきます。もし左肩でやるのであれば、すべての動作を左右逆にして行ってください。どんなシチュエーションでも安全に着地ができるように、最終的には両肩でスムーズに出来るようになるのかベストです。

それでは順番に説明してきます。

① 入りの体勢

肩幅に足を開き、右足を前に出し左ひざを地面につきます。
そのあと、ついている足と左手で二等辺三角形を作るように、左ひざ先に左手を置いてください。

-POINT!-
勢いがある状態でロールすることが前提なので、右足の重心はつま先に乗せます。

② 回り方


前足に重心を置き、右手を左のお尻を触る気持ちで持っていきます。
この時、右手の先を見るように頭を入れ、後ろ足を振り上げ、右肩の少し下が地面に触れるように回転してください。

-POINT!-
・回転する際、地面に接するのは右手の小指から始まり、右肩の少し下から左腰を繋ぐ対角線上。
・回転が縦すぎると頭や肩の骨、背骨などをぶつけてしまい痛いロールになり、横すぎずと着地で立てなくなるので気を付けましょう。地面に当たる位置は小指の側面から始まり肩の骨の下を通りわき腹を通るイメージです。

③着地の体勢

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左足(後ろ足)は蹴り上げた後、すこし曲げながら先に地面につき、そのあと続いて右足も付きます。イメージは数字の「4」を足で組む形です。(写真は左肩から入った場合)最終的に入りの体勢と同じ体勢に戻ります。

-POINT!-
・後ろ足のつま先はねかさず、すぐに立ち上がり、走り出せるように立てましょう。
・左足の膝を外側へ開きすぎると、地面と衝突し怪我する恐れがあるので注意が必要です。

 

最初は解説と写真、動画を見ながら、ゆっくり1つ1つの動きを確認しマットや芝生など安全な場所で練習してみてください。慣れてきたら痛みなくロールできる自分のポイントを習得しましょう。先ほども書きましたが、良いロールとは100%痛みや怪我がない受身のことです。まずはロールのみの動きで、左右どちらとも100%痛みなく出来るようになりましょう。
マットから練習を始め、芝生→土の地面→コンクリートへと徐々にかたい地面でできるようにしていくのがオススメです。


応用編

両肩で100%痛みのないロールが出来るようになったら応用編にいきましょう。

1. 歩いてからロール

必然的に腰の位置が高くなるので回転力が増します。必ず単発でロールの動きを100%にしてから取り組んでください。

2. その場でジャンプしてからロール

ジャンプの着地はつま先を意識し、かかとに体重をかけないこと。手を着地した足の近くにつくと、ジャンプ時に受けた衝撃を受身の回転に転換できないので注意しましょう。

3. 段差からジャンプしてからロール

少し高いところからジャンプしてロールをします。着地の際に衝撃を完全に膝で吸収しないように90度以上曲げないように意識し、遠くに手をついてロールをするとうまく衝撃を逃がすことができます。

4. 技の後に繋げる

動画ではモンキーヴォルトから繋げていますが、前方系の宙返りなど着地の際に前に勢いがつきすぎる技やヴォルトやプレシジョンで足が引っかかって前に突っ込みそうになったときのための練習方法です。ロールを使うことでとっさに頭や肩を打たずに衝撃を逃がす事ができるようになれば習得したといえるでしょう。


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よくある失敗例

・肩の骨が痛い

【原因】肩の先で着地しているから骨に当たる。縦回転になっている。

【対処法】少し肩を内側に入れ、肩の上ではなく横を地面が当たるイメージ、斜めに前転をするイメージで回る。

・腰の骨が痛い

【原因】左腰の骨に当たるのは体が開きすぎている。

【対処法】体を締めて、体が横に流れすぎないようにする。

・横回転になってしまい綺麗にロールができない、立てない

【原因】体の側面全体で着地しようとしすぎて、体自体が横を向いている。

【対処法】地面が当たる線をイメージし、少し縦回転を意識する。

・着地の時に膝が地面に当たって痛い

【原因】膝が外側に開きすぎている。

【対処法】がに股になりすぎないように歩幅をキープするように意識する。

・ロール単体だと問題なく出来るが、ジャンプの後にしようとするとうまくできない

【原因】手の付く位置が近い。着地の後に膝が曲がりすぎている。

【対処法】個人差はありますが手を着地足の約1m先につくように意識する。また膝は少し曲がるくらいにとどめ、90度以下にならないようにする。


一人での練習ではどこが間違っているのか、どのようにを改善すればいいのかを把握するのは大変です。もし近くで練習会があったり他の人と練習する機会があれば、ぜひ周りの人にアドバイスを貰いながら練習してみてください。また、聞ける人がいない場合は気軽にContactページからお問い合わせください。