5月15月~22日で行った国際体操連盟によるパルクールの実質的競技化についてのアンケート結果を報告します。
102人のご協力いただいた皆様ありがとうございました。
今回の記事ではアンケート結果に基づき、どのような割合で賛否が別れているのか、性別・年齢・経験歴でどのように賛否が動くのかを表すデータを公表します。そして、それらのデータからわかることを簡単に皆さんにお伝えします。
基本データ
回答者数102名
性別 | 男性 | 女性 | その他 | 合計 |
人数 | 76 | 24 | 2 | 102 |
年齢層
年齢層 | 10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 合計 |
人数 | 28 | 44 | 18 | 9 | 3 | 102 |
経験歴
未経験 | 1年未満 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 |
29 | 16 | 18 | 6 | 8 | 7 | 3 |
7年 | 8年 | 9年 | 10年 | 11年 | 12年以上 | 合計 |
5 | 2 | 2 | 2 | 3 | 1 | 102 |
全体の賛否の結果
全体の結果は「賛成」が14%「どちらかと言うと賛成」が12%「どちらかと言うと反対」が30%「反対」が44%でした。全体的には反対側の回答が大半を占めました。また、賛成も決して少なくはない割合の回答となりました。
性別での割合
今回のアンケートでは女性の方が23.7%を占め、JPAによる第1回日本全国パルクール調査の10.7%より2倍の比率となりました。
女性
女性は70.8%が「反対」もしくは「どちらかと言えば反対」で、4%が「賛成」25%が「どちらかと言えば賛成」でした。
男性
男性は同じく73.3%が「反対」もしくは「どちらかと言えば反対」でした。しかし、女性とは違い8%が「どちらかと言えば賛成」で18%が「賛成」と、「賛成」に回答した人の割合が女性よりも比率が多くなりました。
年齢
年齢は20代の48人が最も多く、次いで10代が28人と、10代20代でおよそ65%を超えました。しかしその一方で50代の方からも回答を、年齢に垣根のないアンケートとなりました。
経験
経験歴においては、未経験の方からの回答の割合の高く30%を占める結果となりました。やったことがなくてもパルクール競技化について関心を持っている方が多いことが分かります。
未経験者の場合
この経験歴のチャートではとても興味深いことがわかりました。それは未経験者の多くの方が「賛成」と回答していることです。未経験者の31%が「賛成」に、13.7%が「どちらかと言えば賛成」に回答しています。
経験者の場合
少ない期間でも経験したことがある層および1年以上継続している人々の6.9%が「賛成」11.1%「どちらかと言えば賛成」に回答しています。これにより経験者と未経験者の間に大きく今回の問題に対する見解の相違があることがわかります。
考察
今回の調査では、パルクールの経験の有無にかかわらず競技化に対して関心を示していることがわかりました。しかし、反対を示す人はパルクールの経験者に多く、賛成には未経験者の方からの知名度の向上による環境推進を望んでいる人が多い傾向がありました。
一部競技化そのものはパルクールの方向性として検討されるべきだが、体操連盟がやるのは間違っている。進め方が勝手過ぎる。
他のスポーツの組織にルールを決められたり、指導権を握られてしまうため
一部のパルクールの経験者の方々のコメントではパルクール自体の競技化にはポジティブな印象を持っている方も多く、問題は国際体操連盟主導というプロセスだということがわかりました。
現在多くのメディアでは国際体操連盟による東京オリンピックの種別追加の動向を伝えるニュースが報じられています。しかし、上のような実践者の人たちの意見は報道に出る機会はありません。
今回の調査で浮き彫りになった、未経験者の「パルクール」に対する認識と、経験者の「パルクール」の認識の違いは非常に大きな問題です。その溝を埋めるためには「パルクール」が何かという観点から情報の共有を始める必要があります。JPWCではその点にも重点を起きながらこれからも情報発信を続けて参ります。